<第六回>2009.6. |
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W.A.モーツァルトと旅 1 モーツァルトは、36年に満たない短い生涯であったが、その人生のおよそ三分の一を旅していた。旅と言っても今と違って18世紀の旅は、身の危険を伴い精神的にも肉体的にも大変な苦痛を伴うものであったことは、想像に難くない。 ここでモーツァルトの旅程を一覧表に示します。
期 間 同伴者 行き先 ◇1762. 1. 12 〜 1762. 2. 初め 父・姉 ミュンヘン ◇1762. 9. 18 〜 1763. 1. 15 一家4人 第1回ヴィーン旅行 ◇1763. 6. 9 〜 1766. 11. 29 一家4人 (西方旅行) ミュンヘン 〜 アウグスブルグ 〜 マンハイム 〜 フランクフルト 〜 ブリュッセル 〜 パリ 〜 ロンドン 〜 ハーグ 〜 アムステルダム 〜 ジュネーブ 〜 チューリヒ ◇1767. 9. 11 〜 1769. 1. 5 一家4人 第2回ヴィーン旅行 ◇1769. 12. 13 〜 1771. 3. 28 父 第1回イタリア旅行 ◇1771. 8. 13 〜 1771. 12. 15 父 第2回イタリア旅行 ◇1772. 10. 24 〜 1773. 3. 13 父 第3回イタリア旅行 ◇1773. 7. 14 〜 1773. 9. 26 父 第3回ヴィーン旅行 ◇1774. 12. 6 〜 1775. 3. 7 父 ミュンヘン ◇1777. 9. 23 〜 1779. 1. 15 母 マンハイム・パリ旅行 ◇1780. 11. 5.〜 1781. 3. 16 (一人) ミュンヘン 〜 ヴィーン
ヴィーン定住(1781. 3. 16 〜 1791. 12. 5) コンスタンツェと結婚(1782. 8. 4 シュテファン大聖堂)
◇1783. 7 末 〜 1783. 12 初め コンスタンツェ ザルツブルグ ◇1787. 1. 8 〜 1787. 2. 12 コンスタンツェ プラハ ◇1787. 10. 1 〜 1787. 11. 16 コンスタンツェ プラハ ◇1789. 4. 8 〜 1789. 6. 4 リヒノフスキー ポツダム・ベルリン ◇1790. 9. 23 〜 1790. 11. 10 ホーファー フランクフルト ◇1791. 8. 25 〜 1791. 9. 中旬 コンスタンツェ・ジュスマイアー プラハ 最初の旅行は、6歳にもならない幼い時である。父レオポルトと姉のマリア・アンナ(愛称ナンネル)とミュンヘンへと旅だった。ミュンヘンはザルツブルグから当時は二日ほどで行ける比較的近い音楽の盛んな都市であった。 最初の旅行からおよそ半年後の9月18日にザルツブルグを発って、10月6日ヴィーンに到着した。今では列車で3時間半くらいだが当時は3週間近くの旅程である。ヴィーンでは多くの貴族の邸宅で音楽会が催されヴォルフガングの神童はまたたく間に評判となった。10月13日には、シェーンブルン宮殿でフランツ一世、マリア・テレジア皇妃の前で御前演奏を行っている。 さすがの幼いヴォルフガングも旅の疲れか、シェーンブルン宮殿での何回かの演奏会の後10日ほど寝込んだり、帰路のリンツでも風邪をひいてしまった。幸い回復し元気になったヴォルフガング一行は、ブラティスラヴァ等に滞在し一旦ヴィーンに戻り1763年1月にザルツブルグに無事帰着した。有名な油彩画「大礼服を着たモーツァルト」の礼服は、このときにマリア・テレジア皇妃から贈られたものである。 4ヶ月のヴィーン旅行から半年もしないうちに次の3年5ヶ月にも及ぶ「西方旅行」に出発する。これについては、紙面の都合で次回に譲ります。
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オンケン 音楽顧問 伊賀美 哲[いがみ さとる] 国立音楽大学声楽科卒業。波多野靖祐、飯山恵己子諸氏に師事。現在、田口宗明氏に師事。指揮法を故櫻井将喜氏に師事。1982年、第7回ウイーン国際夏季音楽ゼミナールでE.ヴェルバ、H.ツァデック両 教授の指導を受ける。1985年フィンランドのルオコラーティ夏季リート講座で、W.モーア、C.カーリー両教授の指導を受け、その後W・モーア教授にウ イーン、東京で指導を受ける。1986年から毎年、リートリサイタルを開催、シューベルトの歌曲集「冬の旅」、「美しい水車小屋の娘」、「白鳥の歌」、 シューマンの歌曲集「詩人の恋」等を歌う。千葉混声合唱団では、ヘンデル「メサイア」、モーツアルト「レクイエム」、J.S.バッハ「ミサ曲ロ短調」「マタイ受難曲」などを指揮する。現在、千葉混声合唱団、かつらぎフィルハーモニー指揮者。 |